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〘489㌻〙

第1章

1 太初はじめより有󠄃りし所󠄃ところのもの、われらがきしところ、にて所󠄃ところ、つらつら手觸てさはりし所󠄃ところのもの、すなは生命いのちことばにつきて、 2 ――この生命いのちすでにあらはれ、われらこれて、あかしをなし、そのかつ父󠄃ちちともいましていまわれらにあらはたまへる永遠󠄄とこしへ生命いのちなんぢらにぐ―― 3 われらのしところ、きし所󠄃ところなんぢらにぐ、これなんぢをもわれらの交󠄄際まじはりあづからしめんためなり。われらは父󠄃ちちおよびイエス・キリストの交󠄄際まじはりあづかるなり。 4 これのことをおくるは、われらの喜悅よろこび滿ちんためなり。

5 われらがかれよりきて、またなんぢらにぐる音󠄃信おとづれこれなり、すなはかみひかりにしてすこしの暗󠄃くら所󠄃ところなし。 6 もしかみ交󠄄際まじはりありとひて暗󠄃くらきうちをあゆまば、われいつはりて眞󠄃理まことおこなはざるなり。 7 もしかみひかりのうちにいますごとくひかりのうちをあゆまば、われたがひ交󠄄際まじはり、またイエスの、すべてのつみよりわれらを潔󠄄きよむ。 8 もしつみなしとはば、これみづからあざむけるにて眞󠄃理まことわれらのうちになし。 9 もしおのれつみひあらはさば、かみ眞󠄃實まことにしてたゞしければ、われらのつみゆるし、すべての不義ふぎよりわれらを潔󠄄きよたまはん。 10 もしつみをかしたることなしといはば、これかみいつはりものとするなり、かみことばわれらのうちになし。

第2章

1 わが若子わくごよ、これらのことおくるは、なんぢらがつみをかさざらんためなり。ひともしつみをかさば、我等われらのために父󠄃ちち前󠄃まへ助主たすけぬしあり、すなはなるイエス・キリストなり。
 489㌻ 
2 かれわれらのつみのためになだめ供物そなへものたり、たゞわれらのためのみならず、また全󠄃世界ぜんせかいためなり。 3 われらその誡命いましめまもらば、これによりてかれることをみづかさとる。 4 『われかれる』とひて誡命いましめまもらぬものは、いつはりものにして眞󠄃理まことそのうちになし。 5 その御言みことばまもものは、誠󠄃まことかみあいそのうち全󠄃まったうせらる。これによりてわれかれることをさとる。 6 かれるとものは、かれあゆたまひしごとくみづかあゆむべきなり。

7 あいするものよ、わがなんぢらにおくるは、あたらしき誡命いましめにあらず、なんぢらがはじめより有󠄃てるふる誡命いましめなり。このふる誡命いましめなんぢらがきし所󠄃ところことばなり。 8 れどなんぢらにおくるところは、またあたらしき誡命いましめにして、しゅにもなんぢらにも眞󠄃まことなり、そのゆゑ眞󠄃まことひかりすでにりて、暗󠄃黑くらきはややに過󠄃ればなり。〘357㌻〙 9 ひかりりとひて兄弟きゃうだい憎にくむものはいまもなほ暗󠄃黑くらきにあるなり。 10 その兄弟きゃうだいあいするものひかりりて顚躓つまづきそのうちになし。 11 その兄弟きゃうだい憎にくもの暗󠄃黑くらきにあり、暗󠄃くらきうちをあゆみておの往󠄃くところをらず、これ暗󠄃黑くらきはそのくらましたればなり。

12 若子わくごよ、われこのふみなんぢらにおくるは、なんぢらしゅ御名みなによりてつみゆるされたるにる。 13 父󠄃ちちたちよ、われこのふみなんぢらにおくるは、なんぢ太初はじめよりいまものりたるにる。わかものよ、われこのふみなんぢらにおくるは、なんぢらしきもの勝󠄃ちたるにる。子供こどもよ、われこのふみなんぢらにおくりたるは、なんぢ御父󠄃みちちりたるにる。 14 父󠄃ちちたちよ、われこのふみなんぢらにおくりたるは、なんぢ太初はじめよりいまものりたるにる。わかものよ、われこのふみなんぢらにおくりたるは、なんぢつよくかつかみことばそのうちとゞまり、またしきもの勝󠄃ちたるにる。
 490㌻ 
15 なんぢらをもにあるものをもあいすな。ひともしあいせば、御父󠄃みちちあいするあいそのうちになし。 16 おほよそにあるもの、すなは肉󠄁にくよくまなこよく所󠄃有󠄃もちものほこりなどは、御父󠄃みちちよりづるにあらず、よりづるなり。 17 よくとは過󠄃往󠄃く、れどかみ御意みこゝろをおこなふもの永遠󠄄とこしへとゞまるなり。

18 子供こどもよ、いますゑときなり、なんぢらがキリストきたらんときしごとく、いまキリストおほ起󠄃おこれり、これによりて我等われらそのすゑときなるをる。 19 かれらは我等われらよりでゆきたれど、もとより我等われらのものにあらざりき。われらのものならば、われらとともとゞまりしならん。れど、そのでゆきしは、みなわれらのものならぬことのあらはれんためなり。 20 なんぢらは聖󠄃せいなるものよりあぶらそゝがれたれば、すべてのことる。 21 われこのふみなんぢらにおくるは、なんぢ眞󠄃理しんりらぬゆゑにあらず、眞󠄃理しんりり、かつすべての虛僞いつはり眞󠄃理しんりよりでぬことをるにる。 22 いつはりものたれなるか、イエスのキリストなるをいなものにあらずや。御父󠄃みちち御子みことをいなものキリストなり。 23 おほよ御子みこいなもの御父󠄃みちちをも有󠄃たず、御子みこひあらはすもの御父󠄃みちちをも有󠄃つなり。 24 はじめよりきし所󠄃ところなんぢらのうちらしめよ。はじめよりきしところなんぢらのうちらば、なんぢらも御子みこ御父󠄃みちちとにらん。 25 われらにやくたまひし約束やくそくこれなり、すなは永遠󠄄とこしへ生命いのちなり。 26 なんぢらをまどはものどもにきてわれこれらのことおくる。 27 なんぢらのうちには、しゅよりそゝがれたるあぶらとどまるゆゑに、ひとなんぢらにものをしふる要󠄃えうなし。あぶらなんぢらにすべてのことをしへ、かつ眞󠄃まことにして虛僞いつはりなし、なんぢはそのをしへしごとくしゅるなり。〘358㌻〙
 491㌻ 
28 されば若子わくごよ、しゅれ。これしゅあらはたまふときにおくすることなく、きたたまふときにづることなからんためなり。 29 なんぢらしゅたゞしとらば、すべ正義ただしきをおこなふものしゅよりうまれたることをらん。

第3章

1 よ、父󠄃ちちわれらにたまひしあい如何いかおほいなるかを。われかみ稱󠄄となへらる。旣󠄁すでかみたり、われらをらぬは、父󠄃ちちらぬによりてなり。 2 あいするものよ、我等われらいまかみたり、のちいかん、いまあらはれず、しゅあらはれたまふときわれらこれ肖󠄃んことをる。われらその眞󠄃まことさまるべければなり。 3 すべしゅによる希望󠄇のぞみいだものは、そのきよきがごとくおのれ潔󠄄きよくす。 4 すべてつみをおこなふもの不法ふはふおこなふなり、つみすなは不法ふはふなり。 5 なんぢらはる、しゅあらはたまひしは、つみのぞかんためなるを。しゅにはつみあることなし。 6 おほよそしゅものつみをかさず、おほよそつみをかものいましゅず、しゅらぬなり。 7 若子わくごよ、ひとまどはさるな、をおこなふもの義人ぎじんなり、すなはしゅなるがごとし。 8 つみおこなふものは惡魔󠄃あくまよりづ、惡魔󠄃あくまはじめよりつみをかせばなり。かみあらはたまひしは、惡魔󠄃あくまわざこぼたんためなり。 9 すべかみよりうまるるものつみおこなはず、かみたねそのうちとゞまるにる。かれかみよりうまるるゆゑつみをかすことあたはず。 10 これりてかみ惡魔󠄃あくまとはあきらかなり。おほよそおこなはぬものおよびおの兄弟きゃうだいあいせぬものかみよりづるにあらず。 11 われらたがひあひあいすべきはなんぢらがはじめよりきし音󠄃信おとづれなり。 12 カインにならふな、かれしきものよりでておの兄弟きゃうだいころせり。なにゆゑころしたるか、おの行爲おこなひしく、その兄弟きゃうだい行爲おこなひたゞしかりしにる。
 492㌻ 

13 兄弟きゃうだいよ、なんぢらを憎にくむともあやしむな。 14 われら兄弟きゃうだいあいするによりて、より生命いのちうつりしをる、あいせぬもののうちにる。 15 おほよそ兄弟きゃうだい憎にくものすなはひところものなり、おほよひところものの、そのうち永遠󠄄とこしへ生命いのちなきをなんぢらはる。 16 しゅわれらのため生命いのち捨󠄃てたまへり、これによりてあいといふことをりたり、我等われらもまた兄弟きゃうだいのために生命いのち捨󠄃つべきなり。 17 財寳たからをもちて兄弟きゃうだい窮󠄃乏ともしきかへつて憐憫あはれみこゝろづるものは、いかでかみあいそのうちにあらんや。 18 若子わくごよ、われらことばしたとをもてあひあいすることなく、行爲おこなひ眞󠄃實まこととをもてべし。 19 これりてわれ眞󠄃理まことよりでしをり、かつわれらのこゝろわれらをむるとも、かみ前󠄃まへこゝろやすんずべし。〘359㌻〙 20 かみわれらのこゝろよりもおほいにして一切すべてのことをたまへばなり。 21 あいするものよ、われらがこゝろみづからむる所󠄃ところなくば、かみむかひておそれなし。 22 かつすべてもとむる所󠄃ところかみよりくべし。これその誡命いましめまもりて御心みこゝろにかなふ所󠄃ところおこなへばなり。 23 その誡命いましめはこれなり、すなはわれかみイエス・キリストのしんじ、そのめいたまひしごとくたがひあひあいすべきことなり。 24 かみ誡命いましめまもものかみり、かみもまたかれ居給ゐたまふ。われらそのたまふところの御靈みたまりて、われらに居給ゐたまふことをるなり。

第4章

1 あいするものよ、すべてのれいしんずな、そのれいかみよりづるかいなかをこゝろみよ。おほくのにせ預言者よげんしゃでたればなり。 2 おほよそイエス・キリストの肉󠄁體にくたいにてきたたまひしことをひあらはすれいかみよりづ、なんぢらこれによりてかみ御靈みたまるべし。
 493㌻ 
3 おほよそイエスをあらはさぬれいかみよりでしにあらず、これはキリストのれいなり。そのきたることはなんぢけり、このれいいま旣󠄁すでにあり。 4 若子わくごよ、なんぢらはかみよりでしものにして旣󠄁すでかれらに勝󠄃てり。なんぢらに居給ゐたまものものよりもおほいなればなり。 5 かれらはよりでしものなり、これによりてことをかたり、またかれらにく。 6 われらはかみよりでしものなり。かみものは、われらにき、かみよりでぬものは、われらにかず。これによりて眞󠄃理しんりれい迷󠄃謬󠄃まよひれいとをる。

7 あいするものよ、われらたがひあひあいすべし。あいかみよりづ、おほよそあいあるものは、かみよりうまれ、かみるなり。 8 あいなきものは、かみらず、かみあいなればなり。 9 かみあいわれらにあらはれたり。かみはそのたまへる獨子ひとりご遣󠄃つかはし、我等われらをしてかれによりて生命いのちしめたまふにる。 10 あいといふは、われかみあいせしにあらず、かみわれらをあいし、その遣󠄃つかはしてわれらのつみのためになだめ供物そなへものとなしたまひしこれなり。 11 あいするものよ、かくのごとくかみわれらをあいたまひたれば、われらもまたたがひにあひあいすべし。 12 いまかみものあらず、我等われらもしたがひあひあいせば、かみわれらにいまし、そのあいまたわれらに全󠄃まったうせらる。 13 かみ御靈みたまたまひしにりてわれかみり、かみわれらに居給ゐたまふことをる。 14 又󠄂またわれら父󠄃ちちのその遣󠄃つかはして救主すくひぬしとなしたまひしをて、そのあかしをなすなり。 15 おほよそイエスをかみひあらはすものかみかれにり、かれかみる。 16 われらにたいするかみあいわれ旣󠄁すでり、かつしんず。かみあいなり、あいものかみり、かみまたかれに居給ゐたまふ。 17 かくわれらのあい完全󠄃まったきをえて審判󠄄さばきおそれなからしむ。我等われらこのにありてしゅごとくなるにる。〘360㌻〙
 494㌻ 
18 あいにはおそれなし、全󠄃まったあいおそれのぞく、おそれには苦難くるしみあればなり。おそるるものは、あいいまだ全󠄃まったからず。 19 われらのあいするは、かみまづわれらをあいたまふによる。 20 ひともし『われかみあいす』とひて、その兄弟きゃうだい憎にくまば、これいつはりものなり。旣󠄁すでるところの兄弟きゃうだい[*]あいせぬものは、いまかみあいすることあたはず。[*異本「愛せずして未だ見ぬ神をいかで愛せんや」とあり。] 21 かみあいするものまたその兄弟きゃうだいをもあいすべし。我等われらこの誡命いましめかみよりけたり。

第5章

1 おほよそイエスをキリストとしんずるものは、かみよりうまれたるなり。おほよそこれたまひしかみあいするものは、かみよりうまれたるものをもあいす。 2 我等われらもしかみあいして、その誡命いましめおこなはば、これによりてかみ子供こどもあいすることをる。 3 かみ誡命いましめまもるはすなはかみあいするなり、しかしてその誡命いましめかたからず。 4 おほよそかみよりうまるるもの勝󠄃つ、勝󠄃勝󠄃利しょうりわれらの信仰しんかうなり。 5 勝󠄃つものはたれぞ、イエスをかみしんずるものにあらずや。 6 これみづとにりてきたたまひしものすなはちイエス・キリストなり。たゞみづのみならず、みづとをもてきたたまひしなり。 7 あかしするもの御靈みたまなり。御靈みたま眞󠄃理まことなればなり。 8 あかしするものつ、御靈みたまみづとなり。このひてひとつとなる。 9 我等われらもしひとあかしけんには、かみあかし更󠄃さらおほいなり。かみあかしはそのにつきてあかしたまひしこれなり。 10 かみしんずるものはそのうちにこのあかしをもち、かみしんぜぬものかみいつはりものとす。これかみそのにつきてあかしせしあかししんぜぬがゆゑなり。 11 そのあかしはこれなり、かみ永遠󠄄とこしへ生命いのちわれらにたまへり、この生命いのちはそのにあり。 12 御子みこをもつもの生命いのちをもち、かみをもたぬもの生命いのちをもたず。
 495㌻ 

13 われかみしんずるなんぢらにこれのことをおくるは、なんぢらにみづか永遠󠄄とこしへ生命いのち有󠄃つことをらしめんためなり。 14 われらがかみむかひて確信かくしんする所󠄃ところこれなり、すなは御意みこゝろにかなふこともとめば、かならたまふ。 15 もとむるところ、何事なにごとにてもたまふとれば、もとめしねがひたることをもるなり。 16 ひともし兄弟きゃうだいいたらぬつみをかすをば、かみもとむべし。らばかれに、いたらぬつみをか人々ひとびと生命いのちあたたまはん。いたつみあり、われこれにきて請󠄃ふべしとはず。 17 すべての不義ふぎつみなり、されどいたらぬつみあり。〘361㌻〙

18 すべかみよりうまれたるものつみをかさぬことをわれらはる。かみより[*]うまたまひしものこれをまもりたまふゆゑに、しきものるることをせざるなり。[*異本「生れたる者は自ら守る故に」とあり。] 19 われらはかみより全󠄃世界ぜんせかいしきものぞくするをわれらはる。 20 またかみすでにきたりてわれらに眞󠄃まこともの知識ちしきたまひしをわれらはる。しかしてわれらは眞󠄃まことものり、そのイエス・キリストにるなり、かれ眞󠄃まことかみにして永遠󠄄とこしへ生命いのちなり。 21 若子わくごよ、みづかまもりて偶像󠄃ぐうざう遠󠄄とほざかれ。〘362㌻〙
 496㌻